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はたらく人・学生のメンタルクリニック

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躁うつ病

躁うつ病を具体的な例を交えて詳しくご説明します。

原因は?

うつ病と躁うつ病は違う病気であるという考え方が現在の主流です。

 うつ病と躁うつ病は違う病気であるという考え方が現在の主流です。そもそも治療薬が異なり、また遺伝性や性差から見ても、うつ病と躁うつ病は異なるものです。治療薬は効果が実証されているものの、生物学的には解明されていないことも多いのが現状です。
 内因性に生じることも多く、つまりなにも原因がないのに突然気分が高揚したり気分が落ち込んだりすることも特徴です。会社をクビになるなど何らかの原因があって発症しやすいうつ病と比較して、ストレスとの関連性は限定的です。初めての発症はストレス因があることも多いですが、繰り返すたびに再発の原因がはっきりしなくなっていくといわれています。ストレスへの対処は大切なことですが、一方でストレスをなくしたからといって躁うつ病が完全に防げるわけではありません。
 有病率はいろいろな文献がありますが、覚えやすい数字にすると双極I型障害で約0.5~1%、双極II型障害で約1~2%と倍の差があります。

性別による差はほとんどなく、女性に多いうつ病とは違うところです。

 発症年齢はうつ病よりも若く、20歳前後が多いとされています。ただ、高齢発症の躁うつ病がないわけではありません。
 遺伝性がかなり強く、家族歴は通常の10倍のリスクといわれており、近親の度合い度が高いほど発症のリスクが増加するといわれています。
 性格要因としては肯定的な実証は得られていませんが、クレッチマーが提唱した明るく社交的な人がなりやすい循環気質が有名で、うつ病の性格としては真面目で几帳面というメランコリー親和型が有名です。

経過は?

躁うつ病はうつ状態の期間は長いものの、躁状態・軽躁状態はうつ状態と比べると期間が短いです。
頻度も一般的にはうつ状態になる回数のほうが多いです。

 躁状態やうつ状態を繰り返すたびに健康な期間が短くなっていき、最初は3~6年ほどなにもない期間が続くものの、繰り返すと1年以内に再発を繰り返すようになる人もいます。治療をしないと10回以上躁状態もしくはうつ状態を繰り返すと考えられています。双極性障害患者の25~50%は、長期間の支援後も社会的な機能は病前までには回復しないといわれています。

就労現場では双極性障害が一番就労困難を来たすように思います。

 再発率の高さ、維持療法の困難さ(治療からの脱落)、休職を繰り返していく度に周囲・時代から取り残されていく社会人としてのスキル、継続する仕事を任せられない症状の不安定さ、など。休職期間満了になって退職となる人も少なくないでしょう。そうなる確率を少しでも減らすためにも、治療の継続が必要不可欠になっていく疾患です。