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はたらく人・学生のメンタルクリニック

会社の外で患者さんを診ている精神科医 × 会社の中から労働者を見る産業医
だから、その人全体を見ることができます。

LGBT、性別違和(旧性同一性障害GID)、その他マイノリティ

LGBT、性別違和(旧性同一性障害GID)、その他マイノリティを具体的な例を交えて詳しくご説明します。

名前の変更をしたいのですが。

外見と名前にギャップが生じて、
運転免許証などの身分証明書での本人確認で困ることがあります。

名前の変更は名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合に認められます。

医師による診断書と一緒に、
家庭裁判所で名前の変更を申請することで
名前の変更が認められることが多いといわれています。
*最終判断は裁判所が行います。

■裁判所のページ
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_20/

わかってもらいたいのですが・・・。

LGBTは受け入れられて当然のものです。

一方で2016年の岡山大学の大学生に対しての調査では、
クラスメイト・親友が性別違和であった場合、
理解したいと答えなかった人が約5%いた現実があります。

このような現状の中、
カミングアウトは非常に勇気のいるものです。

会社や学校との話し合いや、医療機関からの診断書の作成などで
周囲への理解を求めていく方法がとられます。
一方で、すべての人に100%受け入れてもらえるということは
必ず実現出来るというわけではないことも
念頭においておく必要があるでしょう。

成長していくと現実問題の受け入れが可能になってくる人は多いのです。
人生経験や大人になって行動範囲が増え新たな仲間との出会えるのが
原因の1つと考えます。
しかし学生時代にかけては、自分の居場所が学校と自宅しかないため
自傷や不登校の原因になりメンタル不調に陥る場合があります。

その様な場合は一時的に精神医療のサポートが必要となることがあります。

特に両親へのカミングアウトは最もハードルが高いことがあるとも言われています。
両親の理解が得られなかった場合は
最も安心できる家庭が、最も辛い場所になることだってありえるのです。
医療従事者による説明やサポートが必要なケースの1つです。

LGBT(エル・ジー・ビー・ティー)って何?

女性同性愛者(Lesbian)、男性同性愛者(Gay)、両性愛者(Bisexual)、
性別違和(性同一性障害)を含む性別越境者など(Transgender)
という単語の頭文字からなる表現です。

医学用語ではなく、当事者らが選択した呼称です。
近年、社会的に一般用語として認知されてきています。

当院(院長)のスタンス

他者に危害を及ぼさないマイノリティは、
すべて尊重されるものと考えています。

平成29年1月にNHK Eテレの番組 オトナヘノベルにて
「二次元が好きすぎて!」に出演し、
二次元好きの支援者として偏見がツライという声に応えてきました。

二次元が好きすぎて!01二次元が好きすぎて!02

同じ場で話題に上げることを不快に思われる方もおられるかもしれませんが、
偏見に傷つけられた人を助けるという私の立場は一緒です。

私はLGBTの権威ではありませんが、
マイノリティに対する偏見に対しての憤りは
LGBTの権威と変わりないと思っています。

かつて性別移行を希望する人を真のトランスセクシャルとし、
そうでない人を偽者扱いする時代がありました。
その後1991年Holly Boswellは異性装者とトランスセクシャルは
仲違いをしているべきではないと説きます。

私はすべての人が仲違いをしているべきではない時代が
今来ているのだと思っています。

多様なあり方を認めていく世の中では、
性も含めすべてにおいて多様性を尊重していきたい。
そのためマイノリティに対しての偏見をなくすため、
私は教育系精神科医の戦い方として世の中へ啓発活動を行い続けます。

一方で偏見は明日からすべてが消えるということはありません。
長い年月をかけて、社会が変化と共に歩むことも必要となります。
それまでの間は現状で一番現実的な偏見との共存が出来るよう、
私は精神科臨床医として偏見に悩む人に医療的援助を続けます。

時に偏見と戦い、時に偏見と共存する。
すべての人が出来うる限り生きやすい生活をしていただけるよう、
医療機関としてのサポートを行っていきたいと考えています。

人に言いにくい悩みで困っている方は、
気軽にご相談ください。

子孫を残せない行動であると言われる

こう思われる方がおられることはわかります。

ただ、この考え方は子どもが欲しくても出来なかった方や
子どもを作らずに社会生活を営まれている方すべてを
否定する考え方に繋がるという見方もあります。

LGBTの方だけに限らず、
生殖を目的としない性行動の方が生殖を目的とした性行動より
行われることが多かったという研究もあります。

LGBTを理解できない方の存在も肯定できますし、
一方でLGBTやその理解者の方も肯定される存在です。

理解できない人がいるということを理解することは
上手に生き抜いていく上での1つのテクニックであると考えます。

そもそも自分がなんなのか分からないのですが。

「自分は男性なのか女性なのかわからない」
このようにジェンダー・アイデンティティーのありかたを
悩んでいる方もおられます。

年齢など時期により性自認が揺れる場合もたくさんあります。

人により感じ方も様々で、感じ方の濃淡もあります。
「私は男(女)だ!」などと確信を持っている人ばかりではありません。

「もっと女(男)の子らしく」と性自認を否定され続けてきて、
自尊心や自分の気持ちがとても弱いものになっていることも多いでしょう。

性別違和が治療可能な医療機関では、
ジェンダー・アイデンティティーを確立していくための
精神的サポートも行われます。

身体的治療は?

当院では身体的治療は行っておりません。
必要な場合は、専門医療機関との連携も可能です。

大阪府内の医療機関の一部をご紹介します。

大阪医科大学附属病院(高槻市)
精神科:
http://hospital.osaka-med.ac.jp/about/dept_list/departments/neuropsychiatry/index.html
泌尿器科:
http://hospital.osaka-med.ac.jp/about/dept_list/departments/urology/index.html

フクダクリニック(中央区)
http://www.fukucli-5505.com/

ナグモクリニック大阪(北区)
http://www.nagumo.or.jp/osaka

どんな生活をしていけばいいかわからないのですが。(実生活経験:RLE)

トランスジェンダーの方が、
自分自身のジェンダー・アイデンティティーに従った形で生活することを、
実生活経験といいます。

身体的治療をするための条件の1つとしても実生活経験があげられています。

自分自身が望む生活であっても、新しい生活には大きなストレスが伴います。
自己実現を模索していく過程は苦しく、様々な困難に直面するでしょう。

実生活経験は、学業や職業上の困難、周囲の好奇の目への耐性などに対し、
解決方法の模索や十分な検討をしていく場にもなります。
手術など長期間の離職のために、辞職しないといけない場合は
次の職業にスムーズに移行できるかも問題となってきます。

同性のパートナーが家族として想定されていないので、
家族に適用される会社での福利厚生が使えないなど
制度上の困難に直面することもあります。

自分らしく生きていくことの困難さに直面したときに、
時として精神医療を必要としたり
実生活経験を一旦中止する期間を設ける必要も出てくる場合があるでしょう。

LGBTは精神疾患なの?

現在は「多様性の1つであって病気ではない。」という

海外では宗教的に同性愛=死刑の文化でした。
ドイツの司法精神医学者クラフト=エビング「精神病者であり(死刑にするのではなく)治療・保護の対象である」
現在は「病気ではなく多様性の1つである。」という考えに移行していきつつあります。

日本としては歴史的には同性愛等には寛容でした。
井原西鶴『好色一代男』、男性が女装をする歌舞伎など文化的にもLGBTに肝要な背景がありました。
しかし明治に入り海外文化や医療の影響で、精神病であるという考えが広まり状況が変わりました。
これが日本の迫害や社会的抑圧といった偏見が生み出された歴史です。

同性愛に関してはトランスジェンダーより理解される歴史が早く、
1987年に発表された米国精神医学会の診断基準であるDSM-III-Rで、
同性愛が精神疾患から削除されました。
同性愛は「正常範囲内の差異」とされたわけです。

トランスジェンダーに関しては、
WHOが定める疾患部類であるICDでは、次回改定であるICD-11において
身体疾患でも精神疾患でもなく第3の分類として
「Conditions related to sexual health」の章の「Gender incongruence」として位置づけられようとしています。
(H29.3現在)