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はたらく人・学生のメンタルクリニック

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パニック障害/パニック症

パニック障害/パニック症を具体的な例を交えて詳しくご説明します。

どういった症状が出るのか

「心臓がドキドキして、息が苦しくなる」というのが代表的



 診断基準に書かれているようなパニック発作という症状が出ます。その中でも心臓がドキドキする(動悸)ことが一番多いといわれています。息ができない感じ(呼吸困難)や、めまい、ふらつきを訴える方も多いです。
 また、パニック障害では前触れもなくいきなりパニック発作が出現するため、いつどこでパニック発作が起こるかわからないというのが不安になります。これを予期不安といいます。
 そして、外に出られなくなったり、家の近所しか行動できなくなったり、エレベーターや電車など一度入ったらしばらく逃げられない状況を回避するようになります。このような状況を恐怖に思うことを広場恐怖といいます。

パニック障害/パニック症の主な症状(診断基準より抜粋)
  1. 動悸,心悸亢進,または心拍数の増加
  2. 発汗
  3. 身震いまたは震え
  4. 息切れ感または息苦しさ
  5. 窒息感
  6. 胸痛または胸部の不快感
  7. 吐気または腹部の不快感
  8. めまい感,ふらつく感じ,頭が軽くなる感じ,または気が遠くなる感じ
  9. 寒気または熱感
  10. 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
  11. 現実感消失(現実ではない感じ),または離人感(自分自身から離脱している)
  12. 抑制力を失うことに対する恐怖
  13. 死ぬことに対する恐怖
原因は?

身体的な原因、心理的な原因、環境的な原因などが組み合わさっている

 身体的な原因としては、脳幹の青班核、大脳辺縁系、前頭前皮質の異常などが研究により指摘されています。一般的に体質と表現しても大きくはずれた説明ではないと思います。これにより性格の問題であるという疾患ではないことがお分かりいただけるでしょう。また、二酸化炭素、乳酸ナトリウム、重炭酸塩などを吸い込むと誘発されるというのも生物学的な疾患であることの裏づけになります。神経伝達物質では主にセロトニン系機能障害が指摘されています。
 心理的な原因としては、怒りに対する耐性が低いことなどが挙げられています。この部分に関しては本人の心理特性によるものと言えそうです。しかし、視点を変えると自分自身で対応可能であることでもあり、医療機関に頼りっきりではなく自分自身でも対応していくことが可能な部分がある疾患であるともいえます。
 環境的な原因としては、子供の頃の親との死別や、子供の頃の虐待があると、その後パニック障害を起こす確率が高いという研究があります。

パニック発作が出る=パニック障害、ではない。

別の疾患でもパニック発作は出るので要注意

 パニック発作はパニック症だけでなく、多くの精神疾患(不安症/不安障害、うつ病、躁うつ病、強迫症/強迫性障害、パーソナリティ障害、等)で認められます。
 パニック発作には予期されるパニック発作と予期されないパニック発作があります。予期されるパニック発作は、あるストレスにさらされることで発作が起こるというのが予期されるということです。学校や働く現場では、過去に人間関係上のトラブルがあった人物と出会うとパニック発作が出現することが多いように思われます。他にも、仕事や課題に追われると出る人もいます。
 診断基準にもあるように予期しないパニック発作を繰り返すことがパニック障害の特徴です。リラックスしているときや、夜に寝ているときにも突然起こります。特定の状況で(予期されるパニック発作)のみ起こる場合は、別の疾患が考えられます。予期しないパニック発作と予期されるパニック発作が両方起こる方はパニック障害の可能性が考えられます。