会社の外で患者さんを診ている精神科医 × 会社の中から労働者を見る産業医
だから、その人全体を見ることができます。

はたらく人・学生のメンタルクリニック

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制度・仕組み 傷病手当金

傷病手当金 とは、はたらく人が使える制度の1つです。
休職期間中、生活のためのお金がもらえます。

  1. 傷病手当金って?

    傷病手当金は仕事に就いている人が業務以外の病気やケガで仕事を休んでいる間に支給されます。
    業務上もしくは通勤に関わる病気やケガは労災保険の給付対象です。
    任意継続被保険者の人は支給されません。

    精神疾患が労災になるかは
    厚生労働省の「精神障害の労災認定」
    http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/120427.html
    が基準になります。
    例えばでいうと、軽く注意されたくらいでは労災にはなりませんが
    月100時間の残業に基づく精神疾患の発症は労災の可能性が高いです。

  2. もらえる金額は?

    原則は
    支給開始日以前の継続した12ヶ月の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3
    となっています。

    大まかに給料の2/3と思ってください。
    なお、非課税なので所得税はかかりません。


    詳しくは
    健康保険協会のホームページなどをご覧下さい。
    https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

  3. 休んでいる間のお金が支給されるの?

    連続して3日待機した(休んだ、等)あと、4日目からの休業に対して支給されます。
    合計3日ではなく連続3日です。

    3日の待機は
    ①有給や休日も含まれます。
    ②早退した場合、その早退日は待機初日に含まれます。
    ③3日待機して、引継ぎや荷物整理などで1日出勤して、そこから連続休業に入った場合は支給されます。

    4日目からは
    ①有給などによる給与支給をされている場合は支給されません。傷病手当金は生活保障(給与補償)の制度だからです。

  4. どこにお願いすればいいの?

    多くの会社は人事労務や総務などの部署が問合せ窓口になっています。
    上司の方が傷病手当金を知らない場合もありますので、
    ご自身で連絡されるか上司に確認してもらいましょう。

    小さな会社では誰も知らないことが稀にあります。
    その場合は保険証に書いてある健康保険組合に
    ご自身で問い合わせるか、会社から問い合わせてもらいましょう。

    そうすることで傷病手当金の申請書類がもらえます。

  5. 会社から傷病手当金が出るの?

    お金の出所は会社ではなく、健康保険からです。
    給料ではないので所得にはならず、税金はかかりません。

  6. 申請書類ってどんなの?

    健康保険組合によって多少書式が変わります。
    どの傷病手当金にも

    ①自分で書く欄
    ②会社に書いてもらう欄
    ③主治医に書いてもらう欄

    があります。

  7. 会社に病名を知られたくないんだけど可能ですか。

    多くの場合は休業診断書に病名が書かれてあるので、
    会社に何らかの病名を知らせることにはなります。

    一方で休業診断書を作成しなくても休業を認めてくれる会社もあります。
    実際に1ヶ月など短期間の休業の時は必要ないといわれることはたまにあります。
    そういうときに傷病手当金を申請すると、
    申請書に傷病名を書く欄がありますので会社に病名が伝わってしまいます。

    下記の手順を踏めば傷病手当金で病名がばれるということはありません。
    傷病手当金で病名を知られたくない場合は、
    自分で自分の加入している健康保険協会又は健康保険組合に申請すれば大丈夫です。
    提出は自分でするので会社記入欄を書いて欲しいと会社に伝えましょう。

    会社にはそういった自己申請の前例がない場合もあります。
    担当者が理解しておらず「出来ない」と言われた場合は
    焦らず気持ちを落ち着けて必要欄だけ書いて送ってもらうように
    丁寧に伝えましょう。多くの場合は休業診断書に病名が書かれてあるので、
    会社に何らかの病名を知らせることにはなります。

    一方で休業診断書を作成しなくても休業を認めてくれる会社もあります。
    実際に1ヶ月など短期間の休業の時は必要ないといわれることはたまにあります。
    そういうときに傷病手当金を申請すると、
    申請書に傷病名を書く欄がありますので会社に病名が伝わってしまいます。

    下記の手順を踏めば傷病手当金で病名がばれるということはありません。
    傷病手当金で病名を知られたくない場合は、
    自分で自分の加入している健康保険協会又は健康保険組合に申請すれば大丈夫です。
    提出は自分でするので会社記入欄を書いて欲しいと会社に伝えましょう。

    会社にはそういった自己申請の前例がない場合もあります。
    担当者が理解しておらず「出来ない」と言われた場合は
    焦らず気持ちを落ち着けて必要欄だけ書いて送ってもらうように
    丁寧に伝えましょう。

  8. 自分で書く欄の傷病名って?

    主治医の記入欄に傷病名を書いてもらってから、
    自分の記入欄に病名を書き写してください。

  9. 自分で書く欄の初診日って?

    病院の初診日です。
    今の会社に就職する前に初診日があってもかまいません。

  10. 自分で書く欄の発病時の状況って?

    例えば
    「*月頃から徐々に不眠とやる気の低下が出始めた」
    みたいな感じです。
    医学用語で書く必要はありません。

    「上司に怒られて」「会社でミスをして落ち込んで」
    という書き方は労災の可能性があるので、
    業務外の事由のために給付される傷病手当金は
    認められない可能性があります。

    業務外(傷病手当金)で申請するのではなく
    業務上(労災保険)で申請したい場合は、
    精神障害の労災認定を参考に主治医と相談しましょう。

  11. 主治医の欄の療養給付開始日(初診日)って?

    診療開始日などと書かれている場合もあります。

    これは初診日です。一番最初に医療機関にかかった日です。
    傷病手当金の給付開始日とは関係ありません。

  12. 主治医の欄の労働不能と認めた期間って?

    主治医が労働不能と認めた期間です。

    いつまで有給休暇を使用していたなどは、
    原則的に主治医が知ることは難しいので
    開始にあたっては主治医が労働不能と認めた期間を書くことになります。
    継続にあたっては前回の続きを書いてもらいます。

    会社によっては手続き上や給料など締め日との関係があるところもあるので
    「今回は、何月何日〜何月何日で書いてもらってきてください。」
    と指定がある場合もあります。

  13. 主治医の欄の発病または負傷の原因って?

    傷病手当金は業務外の事由のために給付されるため、
    業務が原因であると支給されない可能性があります。
    精神疾患は原因がなく発症する場合もあるので、
    「不詳」でもかまいません。

  14. 転院する場合は引き続き書いてもらえるの?

    無条件で書いてくださる先生もおられますが、
    原則は無条件では書いてもらえないことも多いと思います。

    何故かというと自分が診察していない空白の期間を
    証明することが困難だからです。

    なので、以下のどちらかであれば引き続き書いてもらえると思います。
    ①前の主治医の紹介状があること
     傷病手当金の作成継続依頼のコメントがあるとなおよい。
     「この度引越しされますが、傷病手当金申請中なので引き続き作成をお願いします。」等
    ②前もって受診していること
     初診日以降の証明は可能です。
     紹介状がなくても証明して欲しい期間以前に前もって受診をしていれば
     診断書は作成可能です。

  15. いつまでもらえるの?

    同じ病気で、支給開始日より最長1年6ヶ月です。

    ①再発した場合
    a.うつ病で3ヶ月休んだあとに、1ヶ月間仕事に戻ったがまた休職した。
    →支給開始日から最長1年6ヶ月なので、仕事に戻った1ヶ月間も時間が経過しています。
     3+1=4ヶ月経過していますので、残り1年2ヶ月の支給を受けられます。
    b.うつ病で1年休んだあとに復帰し、1年後に再発して申請しようとしたらもらえないといわれた。
    →支給開始日から2年が経過しているので支給されません。
     合計1年6ヶ月もらえるのではなく、最長1年6ヶ月もらえるということです。


    ②別の病気は別カウント
     うつ病で過去に1年6ヶ月支給されていても、
     骨折など別の病気で入院した場合は別の病気なので支給が可能です。

  16. 雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)との関係は?

    雇用保険の基本手当は健康で働きたくても仕事がない人に支給されます。
    傷病手当金は病気で働けない人に支給されます。
    なので、重複は起こりえません。

    基本手当は雇用保険に加入していた期間により
    もらえる日数が変わります。
    ただし、退職後1年以内にもらい終わらないといけません。

    退職後も病気で働けない期間が続いていたら退職後1年が過ぎてしまうかもしれませんよね?
    病気で働けないまま1年を経過すると、基本手当がもらえなくなります。
    そんな人のために受給期間の延長が出来ます。
    受給期間の延長手続きをすると、最長3年の延長が認められるため、
    最長で退職後4年以内にもらい終わればいいことになります。

    退職後31日目から1ヶ月の間に
    管轄のハローワークで受給期間の延長手続きをしましょう。
    この手続きをしないと延長が出来なくなりますので、
    延長の手続きを希望される方は必ず手続きを行ってください。

  17. 仕事をやめてももらえるの?

    精神疾患で休職されて、辞職されたり休職期間満了で退職になる方がおられます。
    仕事をやめてからも傷病手当金の支給が継続される場合があります。
    主な条件は下の2つです。

    ①退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があること。
     会社が変わっていても共済組合、任意継続被保険者、国民健康保険以外の健康保険を継続していればOK。
    ②退職日に傷病手当金をもらっていること。

    退職日に最後だからといって出勤しようとする方がおられますが、
    退職日に傷病手当金をもらえない条件であると傷病手当金が支給されなくなります。
    退職日に御礼に行くのはいいですが、就労はしないようにしましょう。

  18. 診断書の料金は?

    傷病手当金の申請書は医療保険を使っての発行が可能です。
    1,000円×負担割合
    です。

    3割負担の人は300円
    自立支援医療などを使用されて1割負担の人は100円になります。

    ちなみに、その他の診断書(休業診断書、自立支援医療の診断書など)は保健適用外です。
    医療機関によって、また書類の内容によって値段が変わります。

  19. 雇用保険にも傷病手当があるって聞いたけど?

    雇用保険の傷病手当は、
    病気のために基本手当(いわゆる失業手当)が受けられない状態になったときに
    支給される手当です。
    基本手当を支給されている人が病気のために15日以上働けない(求職できない)状態になった場合に適応になります。

    基本手当は求職活動をしないともらえません。
    雇用保険の傷病手当は病気なのでその間の求職活動が免除される制度です。

    支給日数は、元々基本手当がもらえる日数だった分が差し引きされるだけです。
    つまり
    基本手当の日数+傷病手当の日数=元々支給される日数
    です。

    健康保険の傷病手当金とはまったく別ものなので、
    健康保険の傷病手当金を1年半もらいきっていても支給されます。

    健康保険の傷病手当金は同一病名では1度しか受給できませんが、
    雇用保険の基本手当や傷病手当は雇用保険の加入期間を再度満たせば
    受給できることになります。

  20. 労災保険や障害年金と重複してもらえることがあるの?

    労災保険の休業補償給付中に、業務と関係のない別の病気になったばあい傷病手当金が出る場合があります。
    傷病手当金の金額が労災保険の休業補償給付より多い場合に差額が支給されます。

    障害年金をもらうようになった場合、年金より傷病手当金が多い場合は年金との差額分が支給されます。
    年金は所得税の対象になるかと思われますが、老齢年金が税の対象になる一方で障害年金は非課税です。
    申請されても税務上で不利になることはありません。