はたらく人・学生のメンタルクリニック

堺筋本町駅から徒歩1分精神科・心療内科はたらく人・学生のメンタルクリニック

制度や仕組み傷病手当金

休職しているあいだのお給料を補償してもらえる保険制度として、「傷病手当金」というものがあります。
 当院では、傷病手当金の給付を希望される方のご対応も行っており、専用の申請書類をお持ちいただければ、医師の診断書を発行することができます。
 ここでは、傷病手当金の制度や仕組みについて、よくある疑問に沿ってご説明いたします。

  • 1.

    傷病手当金

    「傷病手当金」の制度について、よくある疑問に沿って詳しくご説明します。

  • 2.

    雇用保険(失業手当)との関係は?

     傷病手当金と失業手当は、同時に受給されることはありません。
     それは、「傷病手当金をもらうときの状況」と、「失業手当をもらうときの状況」がまったく違うためです。

     傷病手当金とは、業務外の病気やケガによる療養のために「労務不能」である期間について、休業しているあいだに金銭の補償がされる健康保険制度です。この「労務不能」とは、“職はあるけれども、本人が(病気やケガのために)はたらくことができない”という状態を言います。

     一方、失業手当とは、「失業」の状態にある人に対して、次の仕事が見つかるまでのあいだ金銭の補償がされる、雇用保険制度です。この「失業」とは、“本人ははたらける状態にあるにもかかわらず、職がない”という状態を言います。

     「労務不能」と「失業」とは、真逆の状態なのです。これを同時に受給するというのは、状況として矛盾していますので、不可能なわけですね。

     なお、休業し傷病手当金をもらっているあいだに退職に至り、傷病手当金を期間満了までもらいきった場合、そのあとで失業手当を受給することは可能です。(その場合、失業手当の受給要件はしっかり満たした上で、しかるべき手続きや医師の診断などが必要となります)

  • 3.

    会社には病名を知られたくないんだけど、隠せるの?

     まず、傷病手当金を申請するような状況とは、「休職状態にある」ということです。
     休職をするには、傷病手当金がどうという前に、休職の診断書を会社へ提出するという手続きを踏む必要があります。
     多くの場合、休職の診断書には病名を書く必要がありますので、会社に何らかの病名を知らせることにはなってしまいます。

     しかし、会社によっては、診断書の提出や病名の申告がなくても休職を認めてくれることも稀にあります。特に、1ヶ月程度の短期休業の場合は、必要ないと言われることもあるようです。

     このように、休職に至る際の手続きで病名を知らせずに済んだ場合は、傷病手当金の申請方法を工夫することで、病名を隠したままにすることも可能です。

     傷病手当金の申請にあたっては、申請書類に「事業主が書く欄」がありますし、会社の健康保険制度を利用するので、大抵の場合、会社を通して申請手続きを進めます。
     しかし、被保険者である患者様本人が、健保組合に直接申請を行うことも、もちろん可能なのです。

     自分が書く欄や、主治医に書いてもらった欄などは会社側には見せず、「事業主が書く欄」のみを会社に渡して、書いてもらいましょう。
     その上で、他の書類は自分で揃え、健保組合宛に自分で提出を行います。
     そうすれば、病名を書いてある部分を会社に見せなくて済みますので、病名を隠したまま手続きを済ませることができます。

     なお、その会社の中で自己申請の前例がない、という場合もあり、自己申請ができることを担当者の方が知らないことも稀にあります。
     会社に対応を頼んだときに、「自己申請はできない」と言われた場合は、焦らず落ち着いて、制度上可能であることを説明しましょう。落ち着いて丁寧に伝えれば、「事業主が書く欄」だけを書いて送ってもらうことができるでしょう。

  • 4.

    傷病手当金って何?

     傷病手当金とは、はたらいている人が、病気やケガなどが原因ではたらけなくなったときに、本人やその家族の生活を守るために金銭給付がされる公的制度です。
     病気やケガで仕事を休んでいるあいだ、公的医療保険(健康保険)から所定の手当金を受け取ることができます。
     傷病手当金を受け取るには、所定の条件を満たし、申請手続きを行わなければなりません。

     なお健康保険のうち、全国健康保険協会(協会けんぽ)、組合健保、共済組合はそれぞれ傷病手当金の制度が備わっていますが、国民健康保険にはこの制度は備わっていません。
     そのため、自営業やフリーランスなどに従事する方は、この制度を利用することができませんので、ご注意ください。

  • 5.

    お金はいくらもらえるの?

     傷病手当金として給付されるのは、大まかには「給料の3分の2」です。なお、傷病手当金による収入は非課税扱いのため、所得税はかかりません。

     【傷病手当金の計算式】
     (支給開始前の過去12ヶ月の給与を平均した額)÷ 30日 × 2/3 = 1日あたりの支給額

  • 6.

    もらえる期間はどのくらい?

     傷病手当金が支給される期間は、支給開始から最長1年6ヶ月です。これは支給が始まった日を起点とした期間であり、この1年6ヶ月は基本的に、ストップしたりリセットされたりすることはありません。
     例えば、傷病手当金をもらい始めてから1年で復職し、その後6ヶ月以上はたらき続けることができた場合は、手当金は1年分しか受け取れないことになります。

     また、この1年6ヶ月という期間は、同一の病気に対して「一生涯にもらえる期間」であるため、原則として、同じ病名で2度以上もらうことはできないのがほとんどです。

  • 7.

    仕事を辞めてからももらえるの?

     傷病手当金をもらう権利は、健康保険の資格を保有しているあいだのみ有効です。
    保険の資格状況について、以下の条件をすべて満たしていれば、退職したあとも傷病手当金をもらうことができます。

    (1)資格を喪失した日の前日までに引き続き1年以上被保険者であったこと
    (2)資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていた、又は受けられる状態であること

  • 8.

    お金は会社から出るの?

     傷病手当金は、健康保険から給付されます。会社からではありません。
     会社を通して加入している健康保険(協会けんぽ、組合健保、共済組合など)から出されるので、お給料とは違います。
     所得にはあたらないので、税金もかかりません。

  • 9.

    どこに申請すればいいの?

     多くの会社は、人事労務や総務などの部署が問い合わせの窓口になっています。そこで傷病手当金の申請書類をもらうことができますので、書類を揃えて、窓口に提出してください。
     申請書類には会社が記入する部分もありますので、多くの場合は、会社を通して健保組合に申請してもらい、給付の手続きがなされます。

     上司の方が、傷病手当金の制度を知らないということもあります。上司の方に確認してもらうか、ご自身で問い合わせるかは、状況に応じて対応しましょう。
     また、小さな会社の場合は、社内の人が誰も制度について知らないという場合も稀にあります。こんなときは、保険証に書いてある健保組合に直接問い合わせましょう。
     ご自身で問い合わせても、会社から問い合わせてもらってもいいでしょう。

  • 10.

    申請には何が必要? 申請書類の書き方は?

     傷病手当金の申請を行うには、所定の申請書類を一式揃える必要があります。多くの場合、書類は会社の問い合わせ窓口(人事労務や総務の部署など)でもらえます。
     申請書類には、①事業主が書く欄、②本人が書く欄、③主治医が書く欄 があります。
     当院では、申請用紙をお持ちいただければ、③主治医が書く欄 に診断内容などを記入し、発行しております。
     なお、申請書を提出し、実際に支給を認定するのは健保組合です。申請書に書いたとおりに必ず手当がもらえる、とは言い切れませんので、ご留意ください。

    各欄の記入のルールは以下のとおりです。

     ①事業主が書く欄  →会社に書いてもらう欄です。お勤めの会社が記入し、「本人がはたらけなかった期間」について証明をします。
      会社の窓口に用紙を提出し、書いてもらってください。(会社の人が書き方を知らなかった場合は、健保組合に問い合わせて案内をしてもらいましょう)

     ②本人が書く欄
     →本人が自分で記入する欄です。ご自身の保険証や住所、振込口座、マイナンバーなどの情報を記入します。以下、その他の注意点です。

     ⑴「傷病名」の欄について
     ⇒③主治医が書く欄 を書いてもらったあとで、主治医が書いた(診断した)とおりの傷病名を書き写してください。
      主治医の診断なしで、自分の判断で傷病名を書いてはいけませんので、ご注意ください。

     ⑵「初診日」「療養のために休んだ期間」の欄について
     ⇒①事業主が書く欄、③主治医が書く欄 を書いてもらったあとで、そのとおりの日付を書いてください。
      事業主や主治医の証明がないままに、自分の判断で書いても正しい証明にはなりませんので、ご注意ください。

     ⑶「発病時の状況」の欄について
     ⇒申請書の様式によっては、本人記入欄の中に「発病時の状況」という項目が含まれている場合があります。ここは、「不詳」と書いてしまって構いません。
      大抵の場合、精神科の疾患は複数の原因が折り重なって発症するものですので、なかなか記入欄内にひと言で説明できるものではありません。
      ③主治医が書く欄 にも発病時の状況を書く項目がありますので、主治医に書いてもらったあとで、主治医が書いた内容をそのまま写してしまっても大丈夫です。

     ③主治医が書く欄
     →主治医が記入する欄です。受診の際に用紙をご持参いただき、主治医へ直接お渡しいただければ、主治医の診断のもとに記入・発行いたします。
      なお、申請書類にて主治医が意見を発行する場合には、1枚発行ごとに医療費が発生します。以下、その他の注意点です。

      ⑴「初診日(療養の給付開始年月日)」の欄について
       ⇒診療開始日などと書かれている場合もあります。
    これは、最初に医療機関にかかった日のことを言います。傷病手当金の給付開始日とは関係ありません。

      ⑵「労務不能と認めた期間」の欄について
       ⇒主治医が「労務不能の状態である」と認めた期間が書かれます。
        患者様本人がいつまで有給休暇を利用していたか、などは、ふつう主治医が知ることは難しいので、初回の申請にあたっては、有休などは関係なく「主治医が労務不能と認めた(診断した)期間」をそのまま書くことになります。

        継続の申請にあたっては、前回の続きの日付から書いていくことになります。
        なお、会社によっては手続きや給料の締め日などとの関係で、申請期間を指定してこられる場合もあります。この期間に関しては、患者様から主治医へ直接お伝えいただき、指定の期間のうち「主治医が労務不能と診断できる期間」で発行します(指定の期間と診断が合致していれば特にズレはなく、問題ありません)。

        また、原則として受診日より未来の日付については証明ができません。先のことは医師にもわからないためです。ですから常に、主治医がこの書類を書いた日以前の期間で発行することになります。

      ⑶「発病または負傷の原因」の欄について    ⇒精神科の疾患の場合、様々な原因が複合的に重なって発症に至ることがほとんどです。記入欄内にひと言で書くことは難しい部分であるため、大抵の場合、「不詳」と書かれることが多いです。
        なお、患者様の状況によって、原因がかなり明確にわかっている場合は、その原因を大まかに書き記すこともあります。どちらにせよ、ここは主治医の判断・意見によるものですので、主治医が書いたとおりに受け取ってください。

  • 11.

    どの程度の期間ごとに申請すればいいの?

     傷病手当金の申請にあたっては、申請ごとに「はたらけなかった期間」がいつからいつまでだったかを書類に記入し、その期間に対して手当金が支給されます。

     実はこの申請期間には、制限がありません。1週間でも、1年間でもいいのです。
     しかし、前項の申請書類の書き方でもご説明したとおり、未来の日付では「労務不能」の診断ができません。前提として、傷病手当金は「事後申請」になるのです。
     ですから、申請期間を半年、1年と長くまとめようと思うと、その期間が過ぎるまで無収入になってしまいます。お給料を月ごとにもらっていたのなら、1ヶ月ごとに申請する方が、経済的にはベターなやり方だと言えますね。

     なお、会社によっては「この期間ごとに申請してください」とルールとしてお願いされる場合もあります。お給料の締め日など、会社の事務手続き上の都合によることが多いです。その場合は、会社の推奨する期間ごとに申請書類を用意し、主治医からの証明をもらいましょう。
     また、申請書類の様式によっては、「労務不能と認めた期間」の欄に書き込める期間が限られている(例:3ヶ月分しか書き込めない)場合もありますので、書類の様式もよく注意して確認しましょう。

  • 12.

    転院する場合は、手続きはどうなるの? お金はちゃんともらい続けられるの?

     傷病手当金の受給途中で転院する、ということも事情によってあると思います。
     そうした場合でも、もちろん転院先の病院で傷病手当金の対応をしてもらうことは可能です。当院でも、受給中に他院から転院して来られた患者様のご対応は行っております。

     ただし、申請期間、つまり手当金を受給できる期間については、注意が必要です。

     傷病手当金の申請書において、医師が診断できるのは、「その医師が患者様本人の状態を実際に診察にて確認した期間」のみです。また、未来の日付について診断することもできません。
     つまり、元々の通院先の主治医は、「自分が患者様を最後に診察した日まで」のことしか書けません。一方、転院先の新しい主治医も、「自分が患者様を初めて診察した日から」のことしか書けません。
     ということは、「元々の通院先を最後に受診した日」から、「新しい転院先を初めて受診した日」までのあいだの、空白の期間については、誰からも「労務不能状態」を証明してもらえないのです。
     こうなると、転院することによって、少なくとも数日間、「傷病手当金を受給できない期間」が発生してしまうのです。

     ですが、解決策もあります。
     誰からも「労務不能状態」を証明(診断)してもらえない期間が生じないように、転院する際の手続きを工夫する術があるのです。

     ⑴転院前に、紹介状をもらう
     →最もおすすめする方法です。
      元の病院からの紹介状があれば、連携した治療を行うことができますし、患者様本人の状況やこれまでの治療の経緯などをしっかり把握することができます。
      したがって、空白の期間なく、継続して「労務不能」の状態を証明することも可能になります。

     ⑵転院予定の病院を、前もって受診しておく
      →元の病院の通院を辞めてしまう前に、転院予定の病院をセカンドオピニオンとして前もって受診しておくことで、空白を埋めることができます。
       ただし、受診の手間や申請書の枚数などは余分にかかってしまいますのでご注意ください。また、紹介状がなければ診察の中でのお話はすべて最初からになってしまいますので、治療を進めていくのに余分に時間がかかる恐れもあります。

     ⑶転院後に、元の病院を再度受診する
      →転院先の病院に通い始めたあとで、元の病院を再度受診し、転院先の初診日までの期間について「労務不能」であったことを証明してもらう方法です。
       ただし、受診の手間や申請書の枚数などは余分にかかってしまいますのでご注意ください。

  • 13.

    傷病手当金用の診断書の料金はいくらかかるの?

     傷病手当金の「主治医が書く欄」を記入した場合、「傷病手当金意見書交付料」がかかります。保険適用内ですので、3割負担の場合、診察料+300円でご案内できます。

  • 14.

    雇用保険にも「傷病手当」があるって聞いたけど?

     雇用保険には、いくつか種類があります。そのうち、「失業」状態にあって求職活動を行っているあいだに、金銭の補償がされるのが「基本手当」にあたり、条件によって支給日数や金額などが決められます。(詳しくは退職するときの制度へ)

     そして、数ある雇用保険の中に、「傷病手当」があります。  しかしこれは、健康保険による「傷病手当金」とはまったく別の制度であり、その意味や条件も異なります。
     雇用保険の「傷病手当」は、“失業し、求職活動を始めたが、その途中で病気やケガを負い、療養のために求職活動ができなくなった場合”に支給される手当です。
     健康保険による傷病手当金は雇用されているものの「労務不能」状態のために会社をお休みしている期間に支給されますが、雇用保険による傷病手当は、すでに失業していて、求職活動をしている時期に病気やケガでいわゆる「求職不能」状態になったときに支給されるわけですね。

     求職活動中に傷病を負った場合は、ハローワークに問い合わせて傷病手当の案内をしてもらいましょう。

  • 15.

    労災保険や障害年金と同時にもらうことはできるの?

     傷病手当金や雇用保険(失業手当)のほかにも、公的な給付金はいろいろあります。労災保険、障害年金、老齢年金などです。
     基本的に、傷病手当金とその他の公的給付金は、同時に受給することはできません。

     ただし、労災保険、障害年金、老齢年金に関しては、これらの給付金額が傷病手当金の支給額を下回っている場合は、差額を受け取ることができます。(例えば、傷病手当金の給付日額が6000円なのに対し、労災保険の休業補償給付の日額が5000円だった場合は、差額の1000円を傷病手当金からもらうことができます)

     なお、失業手当に関しては、前項(13と14)でご説明したとおり、どんな場合であっても同時に受給することは不可能です。

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