強迫性障害を具体的な例を交えて詳しくご説明します。
強迫性障害の患者さんの例
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Aさん 27歳 男性 会社員
Aさんは27歳の男性です。数年前から、家を出たあとに「鍵を閉め忘れていないだろうか」「ガスを消し忘れていないだろうか」と不安になることが増えていました。最初は一度確認すれば済んでいましたが、次第に何度確認しても安心できなくなり、家を出るまでにかなり時間がかかるようになっていきました。
出勤後も、メールの誤字や資料の内容が気になって何度も見直しを繰り返し、仕事が進まなくなっていました。自分でも「やりすぎだ」と分かっていましたが、確認をしないと強い不安がわき上がってきて、どうしてもやめることが出来ませんでした。
そのうち遅刻や仕事の遅れが増え、家でも疲れ切ってしまうようになりました。家族から精神科の受診を勧められて受診しました。
受診をしたところ、頭に浮かぶ不安な考えを打ち消すために確認行為を繰り返してしまう強迫性障害と説明を受けました。確認を重ねることで安心しているように見えて、実際にはかえって不安が固定されてしまうことを教わりました。薬物療法と精神療法を組み合わせて治療を始めました。
最初は確認を減らすことに強い抵抗がありましたが、少しずつ回数を減らしていく練習を重ねることで、以前より不安に振り回されにくくなってきました。今では以前より時間を有効に使えるようになり、普段どおりに生活が出来るようになってきています。
強迫性障害の診断基準の要約
A.繰り返し頭に浮かんでくる不快な考えやイメージ、衝動がある。
B.その不安を打ち消すために、確認、手洗い、数を数える、やり直すなどの行為を繰り返す。
C.本人もやりすぎだと感じていることが多いが、やめようとすると強い不安が出る。
D.そのために時間がとられたり、苦痛が大きかったりして、生活に支障が出ている。
強迫性障害の症状は?
「分かっているのにやめられない」のが特徴
強迫性障害では、不安な考えが繰り返し頭に浮かび、それを打ち消すために確認や儀式のような行動を繰り返してしまいます。本人も「こんなに気にしなくてもよいはずだ」と分かっていることが多いのですが、不安が強くてやめることが出来ません。
よくみられる症状としては、以下のようなものがあります。
- 鍵、火の元、戸締まりなどを何度も確認する
- 汚れやばい菌が気になって手洗いを繰り返す
- 数字や順番、左右対称などに強くこだわる
- 嫌な考えが浮かぶと何度も打ち消そうとする
- 確認や儀式に多くの時間を使ってしまう
確認をすると一時的には安心しますが、またすぐ不安が戻ってきます。このため、確認行為を繰り返すほど症状が長引いてしまうことが少なくありません。
強迫性障害の原因は?
- 体質的な要因、脳機能の偏り、ストレスなどが組み合わさっている。
強迫性障害の原因としては、脳内の神経伝達物質、とくにセロトニン系の働きが関係していると考えられています。また、遺伝的な要因や、もともとの不安の強さなどが関わる場合もあります。
一方で、ストレスがきっかけとなって症状が強くなることもあります。性格だけで説明できるものではなく、医学的な治療の対象となる障害です。
強迫性障害の注意点など
- 単なる「几帳面」とは異なり、生活に支障が出る
- 家族が確認に付き合いすぎると悪化することがある
強迫性障害は、「きれい好き」「慎重」といった性格の範囲を超えて、不安や確認行為のために生活が大きく圧迫されている状態です。
また、家族が安心させようとして何度も「大丈夫だよ」と答えたり、一緒に確認したりすると、その場では落ち着いても、長い目でみると症状を固定してしまうことがあります。本人だけで抱え込まず、周囲も適切な関わり方を知ることが大切です。
強迫性障害の治療は?
薬物療法と精神療法を組み合わせて
確認や儀式を少しずつ減らしていく
- 薬物療法[抗うつ薬、SSRI]
- 精神療法
強迫性障害の治療では、SSRIなどの抗うつ薬が使われます。これは不安や強迫症状を軽くする効果が期待できるためです。
また、精神療法では、不安があっても確認や儀式を少しずつ減らしていく練習を行います。最初は大変に感じることもありますが、段階的に進めることで「確認しなくても大丈夫だった」という体験を積み重ねていきます。
強迫性障害は自分の意志だけで何とかしようとすると非常につらくなりやすいため、医療機関で相談しながら治療していくことが大切です。
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