はたらく人・学生のメンタルクリニック

堺筋本町駅から徒歩1分精神科・心療内科・児童精神科はたらく人・学生のメンタルクリニック

症状・障害

統合失調症

統合失調症を具体的な例を交えて詳しくご説明します。

統合失調症の患者さんの例

  • Aさん 24歳 男性 学生

Aさんは24歳の男性です。大学に通いながら一人暮らしをしていましたが、半年ほど前から何となく人の視線が気になるようになってきました。最初は「疲れているだけかもしれない」と思っていましたが、次第に「周囲の人が自分のことを悪く言っている気がする」「スマートフォンやテレビを通じて監視されているのではないか」と感じるようになりました。

夜も眠れない日が増え、家の外に出ることが怖くなっていきました。講義にも出られなくなり、家にこもることが多くなりました。家族と話していても反応が乏しく、ぼんやりしていることが増え、身の回りのことも後回しになっていきました。

ある日、Aさんは「自分に向かって悪口を言う声が聞こえる」と家族に打ち明けました。家族は驚き、精神科の受診を勧めました。

受診をしたところ、統合失調症の可能性が高いと説明を受けました。Aさんにみられていたのは、周囲から悪く言われていると感じる妄想や、実際には誰も話していないのに声が聞こえる幻聴といった症状でした。また、表情が乏しくなることや意欲が低下することも病気の一部として起こることがあると説明されました。

その後、薬物療法を始め、生活リズムを整えながら治療を続けました。最初は戸惑いも強かったAさんでしたが、少しずつ眠れるようになり、不安や緊張もやわらいでいきました。家族も病気について理解を深め、焦らず回復を支えていくことが大切だと学びました。

統合失調症の診断基準の要約

A.妄想、幻覚、まとまりのない会話、まとまりのない行動、意欲や感情表現の低下などの症状がみられます。

このうち、妄想、幻覚、まとまりのない会話のいずれかを含むことが重要です。

B.仕事、学業、対人関係、身の回りのことなどの機能が病前より低下しています

C.このような状態が一定期間以上続いています。

D.うつ病や躁うつ病、薬物の影響、身体疾患などだけでは十分に説明できません。

統合失調症の症状は?

「幻聴や妄想」だけでなく、意欲の低下や対人面の変化もみられる

統合失調症では、実際にはない声が聞こえる、誰かに見張られていると感じる、といった症状が目立つことがあります。しかし、それだけが症状ではありません。表情が乏しくなる、やる気が出ない、人づきあいを避ける、考えがまとまりにくい、といった変化もみられます。

よくみられる症状としては、以下のようなものがあります。

  1. 悪口を言われている、監視されていると感じる
  2. 実際にはない声が聞こえる
  3. 話がまとまりにくくなる、会話がかみ合いにくくなる
  4. 表情が乏しくなる、意欲が低下する
  5. 人と会うことがしんどくなり、家にこもりがちになる

統合失調症の症状は、急にはっきり出ることもあれば、最初は不眠、不安、集中力の低下、対人関係の変化など、分かりにくい形から始まることもあります。

統合失調症の原因は?

  • 体質的な要因、脳機能の偏り、ストレスなどが組み合わさっている。

統合失調症の原因は一つではなく、もともとのなりやすさに加えて、強いストレスや生活上の負担など、さまざまな要因が重なって発症すると考えられています。

また、脳内の神経伝達物質の働きの偏りが関係していると考えられており、本人の性格の弱さや努力不足だけで起こる病気ではありません。そのため、「気持ちの問題」として片づけてしまうのは適切ではありません。

統合失調症の注意点など

  • 本人には症状が現実に感じられている
  • 早めの受診と治療がとても大切

統合失調症では、妄想や幻聴があっても、本人にとってはそれが現実に感じられていることがあります。そのため、頭ごなしに否定したり、強く責めたりすると、かえって不安や混乱が強くなることがあります。

また、初期には不眠や不安、対人回避、意欲低下などが目立つだけで、周囲が気づきにくいこともあります。長く放置すると、学業や仕事、家庭生活に大きな影響が出てしまうことがあるため、早めに相談することが大切です。

さらに、症状が落ち着いても自己判断で薬をやめてしまうと、再発しやすくなることがあります。状態が安定している時期も、主治医と相談しながら治療を続けていくことが重要です。

統合失調症の治療は?

薬物療法を中心に、生活の立て直しや周囲の支援も大切

焦らず回復と再発予防を目指す

  • 薬物療法[抗精神病薬]
  • 精神療法
  • 生活支援、家族支援

統合失調症の治療では、抗精神病薬が中心になります。幻聴や妄想、不安や興奮をやわらげ、症状を安定させることが期待されます。症状や副作用の出方は人によって異なるため、主治医と相談しながら調整していきます。

また、薬だけでなく、生活リズムを整えることや、安心して過ごせる環境をつくることも大切です。調子が落ちている時には無理をさせすぎず、休養を十分にとることが必要になることもあります。

さらに、病気について正しく理解し、再発のサインに早く気づくことも重要です。本人だけで抱え込まず、家族や周囲の支援を受けながら、少しずつ回復を積み重ねていくことが大切になります。

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