はたらく人・学生のメンタルクリニック

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症状・障害

強迫性障害(児童)

強迫性障害(児童)を具体的な例を交えて詳しくご説明します。

強迫性障害(児童)の患者さんの例

  • Aさん 10歳 男児 小学4年生

    Aさんは10歳の男の子です。もともと几帳面なところはありましたが、小学4年生になってから、手洗いの回数が急に増えました。外から帰ると何度も石けんで手を洗い、少しでも汚れた気がすると最初からやり直してしまいます。手は赤く荒れて、ひび割れるようになっていました。

    また、宿題の文字が少しでも曲がると気になって消し、何度も書き直すため、宿題に何時間もかかるようになりました。夜には「ランドセルの中身は大丈夫かな」「明日の持ち物を間違えたらどうしよう」と不安になり、お母さんに何度も確認していました。

    Aさん自身も「やりすぎだ」と分かっていましたが、確認しないと悪いことが起きるような気がして、どうしてもやめられませんでした。ご家族が「もう大丈夫」と何度言っても、しばらくするとまた不安になり、確認を求めました。生活に支障が出てきたため、児童精神科を受診しました。

    診察では、汚れや失敗への不安が繰り返し頭に浮かび、その不安を打ち消すために手洗いや確認を繰り返している状態と考えられ、強迫性障害と説明を受けました。確認や手洗いは一時的に安心を与えますが、長い目でみると不安が固定されてしまうことも説明されました。

    その後は、薬物療法と精神療法を組み合わせて治療を開始しました。精神療法では、不安があっても確認や手洗いを少しずつ減らす練習を行いました。ご家族も、何度も確認に付き合いすぎない関わり方を学びました。Aさんは少しずつ不安に振り回される時間が減り、宿題や遊びの時間を取り戻していきました。

強迫性障害(児童)の診断基準の要約

A.強迫観念、強迫行為、またはその両方がみられます。

強迫観念とは、繰り返し頭に浮かんでくる不快な考え、イメージ、衝動のことです。例えば、「汚れているのではないか」「誰かを傷つけてしまうのではないか」「間違えたら大変なことになるのではないか」といった考えが何度も浮かびます。

強迫行為とは、その不安を打ち消すために繰り返す行動や心の中の儀式です。例えば、手洗い、確認、数を数える、やり直す、決まった順番で行う、何度も安心を求める、などがあります。

B.強迫観念や強迫行為に時間がとられたり、強い苦痛があったりして、学校生活、家庭生活、対人関係に支障が出ています。

C.薬物や身体疾患だけでは説明できません。

D.他の精神疾患だけでは十分に説明できません。

強迫性障害(児童)の症状は?

「分かっているのにやめられない」のが特徴です

強迫性障害では、不安な考えが繰り返し頭に浮かび、それを打ち消すために確認や手洗い、やり直しなどを繰り返します。子どもでも、自分で「やりすぎだ」と感じていることがありますが、不安が強くてやめることが出来ません。

よくみられる症状としては、以下のようなものがあります。

  1. 汚れやばい菌が気になり、手洗いや入浴を繰り返す
  2. 鍵、火の元、持ち物、宿題などを何度も確認する
  3. 文字や物の位置が気になり、何度もやり直す
  4. 数字、順番、左右対称などに強くこだわる
  5. 悪い考えが浮かび、それを打ち消そうとする
  6. 家族に何度も「大丈夫?」と確認する
  7. 強迫行為のために登校や就寝が遅れる

確認や手洗いをすると一時的には安心します。しかし、またすぐ不安が戻り、さらに確認したくなります。この繰り返しによって、症状が長引いてしまうことがあります。

強迫性障害(児童)の原因は?

  • 脳機能や神経伝達物質の働きが関係していると考えられている
  • 遺伝的な要因や不安になりやすい体質が関わることがある
  • ストレスをきっかけに症状が強くなることがある

強迫性障害は、単なる几帳面さや性格だけで説明できるものではありません。脳の働きや神経伝達物質、とくに不安やこだわりに関係する仕組みが関わっていると考えられています。

また、ストレス、環境の変化、学校での負担、体調不良などをきっかけに症状が強くなることもあります。急に症状が強くなった場合には、身体的な要因や感染症との関連を含めて慎重に確認することもあります。

強迫性障害(児童)の注意点など

  • 単なる「きれい好き」「几帳面」とは異なる
  • 家族が確認に付き合いすぎると悪化することがある
  • 子どもは恥ずかしさから症状を隠すことがある

強迫性障害は、生活に支障が出るほど不安や確認行為に時間をとられている状態です。きれい好き、慎重、真面目といった性格の範囲を超えて、本人も家族も苦しくなっている場合には、治療を考える必要があります。

また、家族が安心させようとして何度も「大丈夫」と答えたり、一緒に確認したりすると、その場では落ち着きますが、長い目でみると症状が固定されることがあります。これは家族が悪いということではなく、強迫性障害では不安を打ち消す行動が症状を維持してしまうためです。

子どもは、自分の考えや行動を恥ずかしいと思い、症状を隠すことがあります。叱るのではなく、安心して相談できる関係を作ることが大切です。

強迫性障害(児童)の治療は?

薬物療法と精神療法を組み合わせて
確認や儀式を少しずつ減らしていく

  • 心理教育
  • 認知行動療法
  • 曝露反応妨害法
  • 家族への支援
  • 薬物療法

治療では、まず強迫性障害の仕組みを理解することが大切です。不安が出ること自体を完全になくすのではなく、不安があっても確認や儀式をしなくても大丈夫だったという経験を増やしていきます。

精神療法では、曝露反応妨害法という方法が用いられることがあります。これは、不安を感じる場面に少しずつ向き合いながら、手洗いや確認などの強迫行為を減らしていく練習です。最初から大きな課題に取り組むのではなく、本人が挑戦できる範囲から段階的に進めます。

薬物療法では、SSRIなどの抗うつ薬が使われることがあります。強迫症状や不安を軽くし、精神療法に取り組みやすくする目的で使用されます。

ご家族には、確認にどこまで付き合うか、どのように声をかけるかを一緒に考えていきます。強迫性障害は本人の意志だけで何とかしようとすると非常につらくなりやすいため、医療機関で相談しながら治療していくことが大切です。

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