はたらく人・学生のメンタルクリニック

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症状・障害

うつ病(児童)

うつ病(児童)を具体的な例を交えて詳しくご説明します。

うつ病(児童)の患者さんの例

  • Aさん 11歳 女性 小学5年生

    Aさんは11歳の女の子です。もともと真面目で、宿題もきちんと行い、学校では先生からも頼られることが多いお子さんでした。4年生までは仲のよい友達もいましたが、5年生になってクラス替えがあり、友達関係がうまくいかなくなりました。

    最初は「お腹が痛い」「頭が痛い」と言って、朝に学校へ行く準備が遅くなることが増えました。小児科では大きな異常はないと言われましたが、だるさは続き、夜もなかなか眠れなくなりました。好きだった絵を描くことにも興味がなくなり、休日も横になって過ごすことが多くなりました。

    ご家族が励ましても、Aさんは「どうせ私はだめ」「学校に行っても意味がない」と言うようになりました。以前は穏やかだったのに、些細なことで怒ったり泣いたりすることも増えました。ある日、「消えてしまいたい」と話したため、ご家族が心配して児童精神科を受診しました。

    診察では、気分の落ち込み、興味の低下、不眠、食欲低下、疲れやすさ、自分を責める気持ち、集中力の低下などが続いており、うつ病が考えられました。子どものうつ病では、大人のように「気分が落ち込む」とはっきり言えず、イライラや身体症状、登校しぶりとして現れることがあると説明を受けました。

    その後は、まず安全を確認し、学校の負担を一時的に調整しました。ご家族には、無理に励ますよりも、Aさんのつらさを受け止めることが大切だと説明しました。睡眠や生活リズムを整えながら、必要に応じて精神療法と薬物療法を検討し、学校とも連携して少しずつ回復を目指すことになりました。

うつ病(児童)の診断基準の要約

A.以下の症状のうち5つ以上が、同じ2週間の間に続いており、以前の状態から変化がみられます。

少なくとも、抑うつ気分、または興味や喜びの低下のどちらかがみられます。子どもの場合は、抑うつ気分が「イライラ」として現れることがあります。

  • 気分が落ち込む、またはイライラする
  • 好きだったことに興味を持てない、楽しめない
  • 食欲や体重の変化がある
  • 眠れない、または寝すぎる
  • 落ち着かない、または動きや考えが遅くなる
  • 疲れやすい、気力が出ない
  • 自分には価値がない、迷惑をかけていると思う
  • 集中力が落ちる、決められない
  • 死にたい、消えたいという考えが出る

B.その症状によって、学校生活、家庭生活、友人関係などに支障が出ています。

C.薬物や身体疾患だけでは説明できません。

D.躁状態や軽躁状態がある場合には、双極症など別の疾患を考える必要があります。

うつ病(児童)の症状は?

子どもでは「落ち込み」よりも
イライラや身体症状で気づかれることがあります

子どものうつ病では、大人のように「気分が落ち込んでいます」とはっきり言えるとは限りません。むしろ、朝起きられない、頭痛や腹痛が続く、イライラする、学校に行きたがらない、といった形で気づかれることがあります。

よくみられる症状としては、以下のようなものがあります。

  1. 元気がない、表情が暗い
  2. イライラしやすい、怒りっぽい
  3. 好きだった遊びや習い事を楽しめない
  4. 眠れない、または寝すぎる
  5. 食欲が落ちる、または食べ過ぎる
  6. 頭痛、腹痛、吐き気、だるさなどの身体症状がある
  7. 集中力が落ち、成績が下がる
  8. 自分を責める言葉が増える
  9. 「死にたい」「消えたい」と言う

子どもの場合、学校では何とか頑張っていても、家に帰ると急に疲れが出ることもあります。また、午前中に症状が強く、夕方になると少し楽になる場合もあります。

うつ病(児童)の原因は?

  • 脳や体の状態、心理的なストレス、環境要因などが組み合わさっている
  • 友人関係、いじめ、学業の負担、家庭環境の変化などがきっかけになることがある
  • 本人の弱さや甘えだけで説明できるものではない

うつ病は、ひとつの原因だけで起こるものではありません。もともとの体質、睡眠不足、強いストレス、友人関係、家庭内の出来事、学校での負担などが重なって発症することがあります。

また、真面目で頑張り屋のお子さんほど、つらさを周囲に言えずに抱え込んでしまうことがあります。周囲から見ると「急にやる気がなくなった」ように見えても、実際にはかなり前から無理を重ねていたということも少なくありません。

うつ病(児童)の注意点など

  • 「怠けている」「反抗している」と誤解されやすい
  • 死にたい気持ちがある場合は早急な対応が必要
  • 双極症、発達障害、不安症、身体疾患などとの鑑別も大切

うつ病のお子さんに対して、「頑張れば行ける」「気の持ちよう」と言いすぎると、本人はさらに自分を責めてしまうことがあります。励ましが悪いわけではありませんが、まずはつらさを受け止め、安全を確認することが大切です。

特に、「死にたい」「消えたい」「いなくなりたい」といった言葉がある場合は注意が必要です。冗談や一時的な発言と決めつけず、早めに医療機関や相談機関につなげる必要があります。

また、気分の波が大きい場合や、眠らなくても元気で活動的になる時期がある場合には、双極症など別の疾患を考えることもあります。薬物療法を行う場合にも、慎重に経過をみることが大切です。

うつ病(児童)の治療は?

休養、環境調整、精神療法を中心に
必要に応じて薬物療法も検討します

  • 安全確認
  • 休養と環境調整
  • 精神療法
  • 家族への説明
  • 学校との連携
  • 必要に応じた薬物療法

うつ病の治療では、まずお子さんの安全を確認します。死にたい気持ちがある場合、自傷行為がある場合、食事や睡眠が大きく崩れている場合には、早急な対応が必要になります。

次に、学校や家庭での負担を調整します。無理に登校を続けることで悪化する場合もあれば、完全に生活リズムが崩れることで回復が遅れる場合もあります。そのため、お子さんの状態をみながら、休み方や登校の仕方を相談していきます。

精神療法では、つらい気持ちを言葉にすること、考え方のクセを整理すること、困ったときの相談方法を身につけることなどを行います。ご家族には、どのように声をかけるとよいか、どのようなサインに注意するかを一緒に考えていきます。

症状が強い場合や長引く場合には、薬物療法を行うこともあります。子どもへの薬物療法は、効果と副作用を慎重に確認しながら行う必要があります。治療はお子さん、ご家族、学校、医療機関が協力しながら、無理のない形で進めていくことが大切です。

大阪府では夜間・休日に、精神疾患を有する方やその御家族様などから、緊急時にお電話いただければ、必要に応じて精神科救急医療機関の利用についてご案内するというシステムがあります。

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